Tuesday, April 5

A Film: The Way She Was JANIS (ジャニス)

ハワード・アーク監督,1974年,アメリカ

Janis Joplin [1943-70]

『Festival Express』を見た後さっそくビデオ屋に走って、このジャニスの映画を借りた。インタビューやライヴ映像からなるドキュメンタリーだ。Festival Expressでのステージもいくつか収められている。「やっぱすごいわ…」と、感嘆の連続だった。

インタビューでは、とても楽しいとはいえないハイスクール時代を過ごしたテキサスを思い出すときの表情が印象的だ。そんな過去とはまったくのコントラストにある、自由になったジャニスの今の輝きが際立っている。ソウルの偉大な先人たちの名を挙げながら、「今の私はパワーはあるけど、まだ彼らのようには歌えない。でもそれでも歌い続けていれば、いつか私も彼らみたいに歌えるようになるかもしれない」と謙虚に真摯に語っているのを見ると、夭折したのが本当に惜しまれる。27歳であれだけの存在感を放っていた彼女がさらに熟成したとしたら、いったいどんなすごいシンガーになっていたことだろう。

このフィルムはジャニスのアカペラ、“Mercedes Benz”で幕を開ける。「神様、私にメルセデスベンツを買ってよ」と歌って、ちょっと照れたような嬉しげな笑い声をたてるジャニスに好感がわく。