マイマイ新子と千年の魔法
原作:髙樹のぶ子『マイマイ新子』
監督・脚本:片渕須直
出演:福田麻由子 水沢奈子 森迫永依 本上まなみ ほか
後援:山口県/防府市/山口県教育委員会
協力:山口県フィルム・コミッション
支援:文化庁
アニメーション制作:マッドハウス
製作:「マイマイ新子」製作委員会
(エイベックス・エンタテインメント、松竹、マッドハウス、山口放送)
配給:松竹
2009年/日本/93分/35mm/カラー
(英題: Maimai Miracle)
舞台は1955年(昭和30年)の山口県防府市国衙(こくが)。快活で好奇心旺盛な小学校3年生(9歳)の新子は、青い麦畑に囲まれた平屋の旧家に両親と妹、祖父母と暮らしている。友達と駆け回り、笑いころげて遊ぶ毎日は発見と驚きにあふれ、一日一日が輝きに満ちている。映画はその日常のディテール一つ一つを丁寧に描き、それを積み重ねることで、新子が生き、感じる世界を再現していく。
新子は昔学校の先生だったおじいさんがしてくれる話が大好きで、ある日、千年前この防府の地が周防の国と呼ばれ、碁盤目状に道が敷かれた都だったことを知る。直角に曲がった用水路、国衙(律令制において国司が地方政治を遂行した役所が置かれていた区画)の遺跡や碑にその名残を確認しながら、新子は想像を遊ばせ、千年前の都、そしてそこに暮らした人々を防府の風景の中に思い描く。千年前の自分と同じくらいの年の女の子を想像し、新子の中でその子が生き始める。千年前からこの場所で人々が毎日生活をおくってきた。そして今も、これからも、この場所があって、人々の暮らしは続いていく。自分が立っているこの場所に、そうやって必ず明日はやってくる。それが「千年の魔法」である。
大人の世界の事情や死という自分の力を超えた出来事によって、自分と自分の周りの大事な人々を含む世界が大きくバランスを失いそうになったとき、新子を救うのはこの「千年の魔法」という、想像する力だった。「明日笑う」ために新子が大事にするのは、毎日生きる中に見つけた喜びの一つ一つである。日常の中で輝いていたもの、それが今日あったなら明日もある、千年前にもあったという想像力は新子を強くし、現実を生きていく力となっていく。映画は、家族や友達と過ごす新子の毎日と、新子が想像する千年前の世界を交錯させて描きながら、時代を超えて変わることなく人間を支えてきた、生きていく力の源となる喜び、想像力の源を、身近な人とのつながりや日常の中に見出していく。
* 監督・脚本:片渕須直
1960年大阪生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。宮崎駿監督が参加した日伊合作のテレビアニメーションシリーズ『名探偵ホームズ』で、脚本・演出補を担当。89年宮崎駿監督作品『魔女の宅急便』でも演出補を務める。96年世界名作劇場の『名犬ラッシー』では監督としてシリーズをまとめあげた。01年劇場アニメ作品『アリーテ姫』で監督・脚本を手掛け、また同年にゲーム作品『エースコンバット04 シャッタードスカイ』に演出・脚本として参加した。06年のテレビアニメシリーズ『BLACK LAGOON』で監督・シリーズ構成・脚本を担当。他にも数々のアニメーション作品でその手腕を発揮、高い評価を得ている。(『マイマイ~』公式サイトより)
* 制作スタジオ:マッドハウス
1972年創設のアニメーション制作スタジオ。緻密で品質の高いアニメーションを作ることで、国内はもとより、海外からも高い評価を得ている。『東京ゴッドファーザーズ』('03)、『時をかける少女』('06)など。(『マイマイ~』公式サイトより)
*公式サイト
http://www.mai-mai.jp/
*90秒プロモーション映像